XiaomiのMi9Tが手元に届いたので、一週間ほど使ってみました。
結論から先に言うと、かなり完成度の高い機種に仕上がっており、普段ハイエンド端末を使っている筆者でも十分にメインとして使っていける機種に仕上がっています。
今回は実機の写真を交えて詳しいレビューと、この機種の紹介をしていこうと思います。
Mi9Tについて
Mi9Tは2019年6月に中国で発売されたRedmi K20のグローバル版。グローバル市場ではRedmiではなく、上位ブランドであるXiaomiの名前を冠して発売されました。
中国ではブランド戦略の一環でXiaomiの下位ブランドとなるRedmiの名前を冠していますが、本来は上位ブランドのXiaomiからリリースされていても何らおかしくないスペックです。
ユーザーに本当に必要とされている部分は手を抜かず、コストパフォーマンスの悪い部分への投資を避け、安価ながらもハイスペックかつデザイン性も高いというのが大きな特徴です。
Xiaomi Mi9T(Redmi K20)のスペック
Xiaomi Mi9T(Redmi K20) | |
発売日 | 2019年6月 |
SoC | Snapdragon730 |
RAM | 6GB/8GB |
ストレージ | 64GB/128GB/256GB |
ディスプレイ | AMOLED 6.39インチ 2340×1080(px) 403PPI 全面ディスプレイ |
バッテリー | 4000mAh 18W高速充電 |
メインカメラ | 1.広角4800万画素 Sony IMX586センサー2.望遠 800万画素2倍光学ズーム3.超広角 124.8°1300万画素 |
フロントカメラ | ポップアップ式 2000万画素 |
サイズ |
156.7×74.3×8.8mm |
重量 | 191g |
SIMスロット | デュアルSIM |
認証方式 | ディスプレイ内指紋認証 フェイスアンロック |
イヤフォンジャック | あり |
スピーカー | モノラル |
対応バンド | LTE FDD:B1/B3/B5/B7/B8 LTE TDD:B34/B38/B39/B40/B41 注:LTE B41(2535 – 2655 120MHz) WCDMA:B1/B2/B5/B8 TD-SCDMA:B34/B39 CDMA EVDO:BC0 GSM:B2/B3/B5/B8 CDMA 1X:BC0 |
Wifi | MU-MIMO |
SIM | Nanox2 |
外観
前面はノッチなしの全面ディスプレイ。
上下左右のベゼルの幅は上の写真を参考に。
背面はガラスコーティングされており、かなり高級感があります。
カメラ部分のデザインも格好よく仕上がっています。
遠目から見るとピアノのようですが、近づいてみると僅かに模様が浮かび上がります。
この模様、デザイン性については賛否が分かれると思いますが、少なくとも手は抜かれていない証拠。
他にもレッドとブルーがラインナップされており、これらはまた違う模様です。
右側面。電源ボタンと音量スイッチ。
上部にはイヤフォンジャック端子とポップアップカメラが格納されています。
下部にはマイク、スピーカーとUSB-typeCコネクタ。また、SIMカードスロットもこの面に。
サイズ感
サイズは156.7mm x 74.3mmと標準的な6インチスマートフォンと同等ですが、8.8mmという厚みはやや気になります。
裸運用も十分に考えていける価格なので、背面に滑り止めシールを貼って裸運用するのもありかもしれません。
OS
OSはAndroid9ベースとなるXiaomiのMIUI。簡単な説明を。
①Mi9Tに搭載されているのはMIUIのグローバルバージョン。中国バージョンでは日本語を含んだ多言語がサポートされておらず、Google製のPlayストアを始めとしたアプリはインストールされていませんが、こちらのグローバルバージョンではしっかりとサポートされています。
②基本操作はディスプレイの下部にボタンを表示させ、それをタップすることで「戻る」「ホーム」「アプリ切り替え」の各種操作をするモードと、ジェスチャーによってそれらの操作を行うモードから選択可能です。ディスプレイを広く使えるので、ジェスチャー操作にすることをおすすめします。
③Mi9Tのホーム画面。パラレルアプリ機能にもしっかりと対応しているので、一つのスマホで2つのメッセンジャーアカウントを切り替えながら使うなんてことも可能です。
基本性能
スマートフォンの心臓であるSoCは、ミドルエンドとしては最新のSnapdragon730が採用されています。
普段使いにおいては本当にサクサクぬるぬるで、最上位SoCのSnapdragon855との違いは殆ど体感できません。
Mi9TのAntutuスコア
Antutu総合スコアは213711と、前評判通りのかなり高めのスコア。
ハイエンドSoCと比べるとGPU性能が少し弱めですが、その他は1,2世代前のハイエンド機種とあまり変わらない性能と言えます。
ゲームをしない限りはSnapdragon730のMi9Tでも十分過ぎるほどハイスペック。
また、ゲーム性能においても「あくまでハイエンド機種に比べると劣るだけ」であり、十分普通に遊べるレベルです。
ゲーム性能
実際に荒野行動をダウンロードして上記の設定で1ゲーム遊んでみましたが、常に30fps以上は出ており、かなりぬるぬる。
また、発熱についても左手側(カメラ側)裏面がほんの少し暖かくなる程度。
ディスプレイ
ディスプレイはフラッグシップモデルに採用されることが多いSamsungのAMOLEDとなっており、解像度は2340x1080pxというフルHD+。
ノッチレスなのでディスプレイ全体を表示領域として利用できます。
デザイン面はもちろん、それよりも大きなメリットは上部ステータスバーの表示領域をフルに使える点。
AMOLEDパネルなので鮮やかな発色。明暗がはっきりしており、特に暗い写真を見る時に吸い込まれそうな感覚に陥ります。
メインカメラ
メインカメラはトリプルカメラとなっており、高性能な通常カメラ、望遠カメラ、超広角カメラという2019年のフラッグシップ機種によく採用されている構成となっています。
1.通常カメラ
48MP撮影が可能なSONYのセンサー「IMX582」が搭載されています。
フラッグシップモデルがこぞって採用している同じくSONYの「IMX586」の廉価版となりますが、違いは4K画質での60fps動画撮影に対応しているかいないかの差のみのようです。
殆ど使用されることがないニッチな機能のために割高になってしまうのであれば、この選択は間違っていないと思います。
2.望遠カメラ
望遠カメラは2倍光学ズームが可能。
3.超広角カメラ
超広角カメラは124.8°という他社よりもやや広めな画角。近距離での撮影であってもかなり多くのものをフレームに収めることができます。
メインカメラ性能についてはいい被写体に出会えていないので、近く追記予定です。(暑すぎて外に出るのがしんどいです)
とりあえず現時点での感想は想像していたよりもはるかに美しい写真が撮れるカメラといった印象。
フロントカメラ
フロントカメラは起動する時にせり出すポップアップ式となっており、それ以外の時は本体内部に格納されています。
ポップアップ時にカメラ周りが光るという演出も。
Mi9Tはこの機構によってノッチレスの全面ディスプレイを実現しています。
ポップアップにやや時間がかかりますが、かなりの高画質フロントカメラです。
美顔機能やエフェクトも豊富。
改造と訳すのはどうかと思うけれど、確かにエフェクトを強めにかけると「まるで自分ではないような」写真まで撮ることができます。
これ、かなり楽しいです。
バッテリー周り
Mi9Tは4000mAhの大容量バッテリーを搭載。今でこそ珍しくなくなったこの4000mAhという容量ですが、Snapdragon730の省電力性能と併せることで異次元のバッテリー持ちを実現しています。2日に1度の充電でも十分なレベルです。
また、バッテリー容量が少なくなっても18Wでの高速充電が可能なので、完全に放電した状態からでも2時間も充電すれば余裕で満充電に。
認証機能
Mi9Tにはディスプレイ内指紋認証、ポップアップカメラによるフェイスアンロック、従来のPINやパターン入力による認証機能が備わっています。
ディスプレイ内指紋認証はXiaomiの最新のセンサーが使用されているようで、指が汚れていたりしない限り読み取りエラーを起こすことなく、かなりの高速で認証してくれます。
Xiaomi Mi9Tのディスプレイ内指紋認証。精度も速度も問題ない感じ。 pic.twitter.com/hqPAeTcObP
— ゆるちな (@yuruchina) August 7, 2019
フェイスアンロックはフロントカメラの起動がやや遅いせいで認証にかかるまで1テンポ時間がかかるので、正直ストレスが貯まります。
フロントカメラは自撮り時のみの使用で、フェイスアンロックはあくまでおまけと捉えておき、普段は指紋で認証するのがいいと思います。
イヤフォンジャックあり!
最近では省かれることの多いイヤフォンジャックですが、Mi9Tにはしっかり備わっています。
遅延があるとまともに遊べない音ゲーや、イヤフォンを装着して音で索敵するようなFPSを遊ぶ場合に大いに役立ってくれます。
前述した通りゲーム性能は十分なので、低発熱かつ安価なゲーム用スマホとしても十分に運用可能です。
デュアルSIM
中華スマホでは当たり前ですが、デュアルSIMスロットが搭載されており、SIMカード2枚挿しでの運用が可能です。
対応バンドはそれほど広くありませんが、LTEはB1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B20 / B28 / B38 / B40に対応しているので、Softbank系のMVNOSIMを使って運用するのがおすすめです。
まとめ
最近は各社基本スペック以外の面で旧機種との差別化を図る方向に開発がシフトしており、その結果、2018年から2019年にかけてフラッグシップ機種は軒並み「全面フルディスプレイ+フロントカメラをディスプレイ上から隠すギミック+3眼以上の多レンズ」という構成になっています。
今回のXiaomi Mi9T(Redmi K20)は、そんなフラッグシップ機種のハードウェア構成はそのままに、SoCを始めとする基本性能をやや抑えることでコストダウンを図った「2019年版ミドルエンド機種の完成形」とも言える出来に仕上がっています。
ここ数年でハイエンドSoCの基本性能は伸び悩んでいる反面、ミドルからローエンド機種の性能は順当に進歩しているので、正直普段使いにおいてはSnapdragon730でも何の問題もありません。
一週間使ってみて一番強く感じたのは「Snapdragon855って本当に必要?」という点。
数年前のミドルエンド機種では普段使いにおいてもストレスが貯まるレベルのもっさり具合だったので、一度ハイエンド機種に触るとミドルエンド機種は触るのも嫌なくらいストレスフルで、思えばその時からハイエンド志向が始まっていたのですが、Mi9Tは普段使いにおいて現行最上位のSnapdragon855搭載機種とほぼ変わらない感覚でサクサクと動いてくれます。
最近は殆どゲームもしなくなったので、私の使い方では本当にSnapdragon730でも十分過ぎるほどです。
Xiaomi Mi9Tの日本からの購入について
グローバルモデルなので当然世界中で販売されていますが、残念ながら日本では公式販売されていません。
購入にあたっては海外通販を利用して個人輸入をすることになると思います。
極力安く買える店舗を別の記事でまとめているので、そちらの記事をご参照下さい。

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コメント
僕はこれにしょうか、proにしょうか、それともoneplus7proにしょうか…悩みまくってます。ポップアップカメラは絶対譲れない。7proはちと高い…。で、これか、proか…迷ってました。proはグローバル版まだ出ないのか?と待ちわびてましたが、これでも良さそうですね。僕も大してゲームするわけじゃないので、845いるかなぁ?って考えてたところに異次元の電池持ちと言われれば…ますます悩みは深くなりました。スマホも最初の興奮が収まれば後は電池持ちが長く付き合えるかの分かれ道になると思うので。
願わくばこいつとproの電池持ちの比較とかわかれば教えてほしいです。
そこまでの差がないならグローバル版まで待ちますし、そうこうしてたら7pro安くなるかもだし。
でも、そーやって買いどきをのがすんだろーなぁ…
悩んでいるうちが一番楽しかったりするものですよ。正直OnePlus7Proは重かったり落とすのが怖かったりで取り回しにかなり気を遣っています。
自分の用途でストレスなく動くのであれば安いものに越したことはないと思っています。特に私は貧乏性なので高い端末を扱うのは精神的にも結構疲れます。
電池持ちについても今後環境を整えてレポートできればなあと思ってはいます!