2019年12月にXiaomiから発売されたRedmi K30。遅ればせながら私も入手し、しばらく使用してみたので実機レビューという形で皆様に紹介しようと思います。
ハイエンド志向の私ですらハイエンドスマートフォンを買う意味があるのか分からなくなるくらいハイスペック、その上価格はハイエンド機種の半額というわけのわからない機種に仕上がっています。
Redmi K30とは
Redmi K30は2019年12月10日に発表され、同12月12日に発売となったミドルレンジスマートフォン。2019年5月に発売されたRedmi K20の後継機種。
安価でありながら異常なまでの高性能さ、更に2020年1月には5G版が発売されることもあり、中国では発表会当日からXiaomiの株価が爆騰する騒ぎになりました。
前作Redmi K20はグローバル市場においてはXiaomi Mi9Tに名前を変えて販売されているため、Redmi K30も今後グローバル市場において別の名前で販売されるものと思われます。
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スペック
Redmi K30 | |
発売日 | 2019年12月 |
SoC | Snapgragon730G |
RAM | 6GB/8GB |
ストレージ | 64GB/128GB/256GB |
ディスプレイ | 6.67インチ |
解像度 | 2400×1080(px) |
バッテリー | 4500mAh 27W充電 |
メインカメラ | 1.6400万画素広角カメラ 2.800万画素120°超広角カメラ 3.800万画素最短撮影距離2cmマクロカメラ 4.200万画素ポートレートカメラ |
フロントカメラ | 1.2000万画素メインカメラ 2.200万画素ポートレートカメラ |
サイズ | 165.3mm x 76.6mm × 8.79mm |
重量 | 208g |
SIMスロット | Nano SIM + Nano SIM or MicroSD |
認証方式 | 側面指紋認証 フェイスアンロック |
通知ランプ | なし |
イヤフォンジャック | あり |
対応バンド | 4G:FDD-LTE :B1 / B3 / B5 / B8 TDD-LTE :B34 / B38 / B39 / B40 / B41 3G:WCDMA:B1 / B5 / B8 TDSCDMA:B34 / B39 CDMA EVDO:BC0 2G:GSM:B2 / B3 / B5 / B8 CDMA 1X:BC0 |
カラー
現時点でカラーはパープル、レッド、ブルーの3種類。
ショップのお姉さん曰く紫が男性女性問わず人気ということで、乗せられる形で私はパープルを選択しました。
価格
現在4モデルが展開されています。
グローバル版はまだ発売されていないので中国での価格とその日本円換算価格を。
人民元 | 日本円換算 | |
6GB+64GB | 1599元 | 25,000円 |
6GB+128GB | 1699元 | 26,000円 |
8GB+128GB | 1899元 | 29,000円 |
8GB+256GB | 2199元 | 34,000円 |
※レートは2020.1/6時点
Xiaomi端末の価格帯としてはミドルレンジ中のミドルレンジといった価格設定です。
開封
Redmiと言えば少し前までは少しチープなパッケージングだったのですが、Xiaomiと遜色ない高級なデザインになりました。
ケースやSIMピンの入った小箱。
その下にはRedmi K30本体。
本体の下には充電器。
本体の様子。
ガラスコーティングされた背面はかなり明るめの色合いです。
ディスプレイ
Redmi K30はディスプレイに特に力が注がれています。
ディスプレイサイズは6.67インチで、解像度2400×1080の液晶パネル。
色味
色味はデフォルトではやや優しく全体的に薄めで、ややパステルがかった色。
前作Redmi K20(Mi9T)はもう少し濃い目でコントラストが強かった印象があるので、この優しい色合いは粗悪液晶パネルを使っているからくるものではなく、現在の流行の薄めの色合いに乗った意図で調整されたものだと思います。
デフォルトの色味が気に入らない場合もほぼ無段階で調整できるのでご安心を。
120Hzの大型液晶ディスプレイ
Redmi K30のディスプレイの大きな特徴はリフレッシュレートが一般的な60Hzではなく120Hzになっていること。
リフレッシュレート120Hzのディスプレイは60Hzのディスプレイと比べると操作時のスムーズさが段違い。スワイプ時にディスプレイが指に吸い付いてくる感覚で、一度このディスプレイに慣れると60Hzディスプレイの機種を触った時にまるで処理落ちをしているように感じます。
この快適さをまだ60Hzディスプレイを使用している方に伝えたいのですが、物理的に動画で伝えることができないのが残念。
私の手元にある90Hzディスプレイを搭載しているOnePlus7Tシリーズと比べるとOnePlus7Tシリーズの方が少しスムーズ。K30は120Hzとリフレッシュレートでは上回っているものの、高速スクロール時に若干残像感があるように感じます。(とはいえ些細な差)
OnePlus7TシリーズはAMOLEDディスプレイ、K30は液晶ディスプレイというのが関係しているのでしょうか。
それでも先程述べたように60Hzのディスプレイと比べるとスクロール時のスムーズさが雲泥の差なので、私であれば60HzのAMOLED機種を買うくらいなら120Hzの液晶機種を選びます。
パンチホールカメラ
前作のRedmi K20(Xiaomi Mi9T)はフロントカメラにポップアップ機構を採用し、完全な全面ディスプレイを実現しましたが、その後継機種となるK30ではフロントカメラがパンチホール式となりました。これによって複雑な機構なしで全面ディスプレイを実現!これぞ技術革新!!!
と言いたいところですが、下の写真をご覧下さい。
パンチホール式とは言え、カメラの周りに黒い縁が付いており、ステータスバーのかなりの面積を占有してしまっています。
明るいディスプレイに大きな黒点が常に存在しているのでK30の使用中に嫌でも目に付き、異様なまでの存在感を放ってしまっています。
ノッチデザインの場合はディスプレイの非表示領域がベゼルと一体化していたためか、ここまで目立ちはしていませんでした。
K30はフロントカメラもデュアル構成になっており必然的に非表示領域が増えてしまっているのですが、もしこれがシングルカメラになってフロントカメラ部の面積が減ったとしても、このデザインである限り黒点が目立つことになってしまうと思います。
かと言ってK20(Mi9T)のポップアップ式フロントカメラは起動に時間がかかったりコストが嵩んだりとデメリットが存在するわけで、今後もこの「フロントカメラ周り」の迷走は続いていきそうです。
側面指紋認証
Redmi K30は従来のディスプレイ内指紋認証から、電源ボタン部位にある指紋認証センサーに触れることで認証をする「側面指紋認証」方式になりました。
私は左手の中指と右手の親指の指紋を登録して使用しています。
認証の際に電源ボタンを押し込む必要はなく、スリープ状態から電源ボタンを触れるだけで指紋認証をし、ディスプレイをオンにしてくれます。
ディスプレイ内指紋認証方式と比べて読み取る指紋の領域が小さくなったことで認証速度や精度に若干の不安はあったのですが、認証速度や精度共に何の問題もなし。
とはいえこの方式に欠点がないわけではなく、スリープ状態で持ち歩く際に電源ボタン部分に指が触れてしまい認証エラーで本体が振動したり、指紋を登録してある中指が触れてしまい勝手にロックが解除されてしまうということがしばしば。指が触れないように意識して持ち歩くというのはストレスです。
とはいえ側面指紋認証はディスプレイ内指紋認証機種よりも確実に快適。今後側面指紋認証の機種が増えていくことは間違いないでしょう。
SoC
Snapdragon730Gを搭載。日本でも販売されているモデルXiaomi Note10に搭載されているものと同じもの。
現在ハイエンド機種に搭載されているSoCはSnapdragon855 Plusですが、Snapdragon730Gはその廉価バージョンとなります。
Redmi K30のAntutuスコア
Antutu benchmark(8.1.8)の総合スコアは276670。
ミドルレンジSoCとはいえ普段使いにおいてはカクついたりすることはなく、完全にストレスレスで動作します。
流石にSnapdragon855 Plusにストレージ規格がUFS3.0のOnePlus7Tと比べると操作によっては若干モタつきを感じはしますが、正直誤差レベル。
価格差が2倍あることを考えると必要十二分どころか百二十分のスペックです。
ゲーム性能においても、有名FPSゲームも最高設定で快適に動作するので、これだけの動作速度で不満を抱く人は極僅かでしょう。
カメラ
Redmi K30には4つのカメラが搭載されており、広角カメラ、超広角カメラ、マクロカメラ、ポートレート用の測距カメラという構成になっています。
メインの広角カメラのセンサーには2019年各社がこぞって採用したSONY IMX586の後継となるSONY IMX 686がその他ハイエンド機種に先駆けて搭載されており、最高64MP(6400万画素)での撮影が可能。
その他にも広角撮影、超広角撮影、マクロ撮影は元より、撮影後に被写体深度や焦点距離を自由に変えられるポートレートモードや、最大1080p60fpsもしくは4K30fpsで動画撮影ができたりと、ハイエンド機種顔負けの豊富な機能が備わっています。
とりあえず手近なものを撮影してみました。全てオートモードでの撮影で補正やトリミングはかけていませんが、転送量の都合で圧縮のみをかけています。

広角(メイン)カメラでの撮影

同じ被写体を超広角カメラで撮影
Xiaomiカメラの特徴とも言える自然な色彩。

広角(メイン)カメラでの撮影
私は何故かハンバーガーで試し撮りをすることが多いのですが、色彩が乏しい分ハンバーガーの写真ってちょっとした鬼門なんです。こちらの写真もあまり美味しそうには見えませんが、それでも他の機種と比べるとうまく撮れている方。
これらの飯写真も全てオートモードでの撮影。
Xiaomiのエンジンは特に飯写真を撮る時に本領を発揮し、実物より美味しそうな写真が簡単に撮れます。
これくらい被写体に近づいた場合は10万円クラスのカメラと比べても全く遜色ありません。IMX 686滅茶苦茶優秀です。

広角(メイン)カメラでの撮影

マクロカメラでの撮影
ハイエンド機種に何ら見劣りしない、寧ろ下手な機種を凌駕している素晴らしいカメラです。価格まで考えると化け物カメラと言っていいでしょう。
ただ、光学手ブレ補正が付いていないので室内や暗所での撮影の際は若干注意が必要になります。
64MPカメラに意味はあるのか
Sony IMX686を搭載することで可能となったRedmi K30の目玉となっている64MPモードでの撮影。
画素数というのは数字として表現できる分消費者に伝わりやすいこともあり、特にコンデジ業界において画素数を売りにし、実際の撮影性能を軽視したカメラが蔓延ることになりました。
そんな過去があり、今でもよく聞かれる「スマートフォンの豆粒センサーで画素数だけ増やしても無駄」という意見。
私も正直スマートフォンのセンサーで64MPという解像度に意味があるのか懐疑的だったので、Redmi K30で撮影性能を簡単にテストしてみることにしました。
オートモードでISO100 露出時間1/700前後になる条件のもと、通常モードと64MPモードで同じ被写体を撮影し、同一部分を拡大して比較してみます。

拡大前の写真

通常モードで撮影した写真の拡大

64MPモードで撮影した写真の拡大
ディテールは明らかに64MPモードで撮影した方が鮮明。日中で極力高画質な写真を撮りたい場合は64MPモードをオンにして撮影するといいのではないでしょうか。
ただ、64MPモードで撮影した写真のファイルサイズは1枚30MB程度になるのでファイルの取り回しがしづらくなる点には注意が必要です。
SIMスロット
SIMカード挿入部はゴム状のパッキンで密封されるようになっており、公称こそされてはいませんが、かなりの防水性能を秘めていることでしょう。
SIMスロットは当然デュアルスロットとなっており、SIM1+SIM2 or MicroSDカードというXiaomiお得意の構成となっています。
必要であればMicroSDも使用できるというのは確かに便利ではあるのですが、内蔵ストレージ容量あたりの単価が下がりに下がった現在においてはわざわざMicroSDを挿して使うケースは殆どないのではないでしょうか。
内蔵ストレージが足りないのであれば一つ上のストレージ容量を搭載したモデルを買った方が便利だと思います。
まとめ
まず始めに言いたいのは「本当にこの値段でいいんですか?」
Redmi K30がどんなスマートフォンか一言で表現するのであればズバリ「ハイエンド殺し」でしょう。
Snapdragon730Gの性能、カメラ性能、ディスプレイ性能、ハイエンド機種となんら遜色ないどころかディスプレイ性能においては大部分のハイエンド機種を凌駕する性能に仕上がっています。その上で価格はハイエンド機種の半分程度という、わざわざ高いお金を出してまでハイエンド機種を買うのが馬鹿らしくなるようなスマートフォンです。
中国ではRedmi K30の発売前後においてXiaomiの株価が爆騰するという出来事がありましたが、それも納得の完成度で、グローバル版の発売が本当に楽しみです。
ただ、あくまでRedmi K30はXiaomiブランドの中ではミドルレンジのスマートフォンです。今春発売されるであろう2020年度のフラッグシップモデルのハードルを自らの手で凄まじく高い位置に上げてきました。
Xiaomiのことなので恐らくそれに対する回答は用意した上でK30を発売したものと思われるので、否が応にも2020年度のフラッグシップモデルへの期待が高まります。
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コメント
バッテリー持ちはどうでしょうか?
ありがとうございます。
バッテリー持ちについては現時点でかなり良好です。
が、極力公平な形で計測して伝えられるよう方法を考えているところです。
計測完了次第追記する予定です。
ありがとうございます。
追記楽しみにしています。